四国EVラリー開催結果

 スペシャルステージ成績 最終成績 '99レギュレーション '99ギャラリー
<総評>

8/21
 公道レグエントリーチーム数47に対し,参加チームは41チームの6チーム減。
   カテゴリ1(鉛バッテリ搭載) 30チーム(3チーム減)
   カテゴリ2(鉛バッテリ以外)  2チーム
   カテゴリ3(原付・ミニカー) 10チーム(1チーム減)
   カテゴリ4(ハイブリッド車)  2チーム(2チーム減)

第1ステージ  徳島市街地+眉山山頂往復 22.2km 2時間以内
 市内の渋滞も少なく,順調なチームは1時間強でゴールする。
 しかし,スタート直後にトラブルが発生してリタイヤするチームに加え,先頭車のスタート1時間後から滝のよ
うなスコールに見舞われて電送系トラブルに見舞われる車両など,計8台がリタイヤする波乱の幕開けとなる。
 公道ラリーにとって,車両トラブルは厳禁である。一般車両と共に走るために十分に自分のEVをシェイクダ
ウンしてから参加して頂かなければ,今後EVラリーの存続すら危うくなる。参加をキャンセルしたチームも多
かったが,EVの製作に追われ,十分なシェイクダウンを行えないままに車両を持ち込んだチームも多いことだ
ろう。交流会では,「チャレンジと無謀を混同するな!」「スターとしない勇気も大切」と檄を飛ばさせて頂いた。

第2ステージ 徳島−阿波町往復,阿波町を中心としたクローバー型ラリー 最長238.2km 15時間以内
 今年度の目玉! 15時間制限で,どれだけのレグを走行できるか?
 阿波町往復の2と8レグは必修で,3〜7は数字の若い順に自由に選択できる。但し,重複はNG!
 各レグは9.6〜81.0kmまで長短織り交ぜて有り,第4レグでは標高差800mもの山頂まで付近まで登っていただく。
 それぞれ風光明媚なコースを準備したつもりだが,競技者は景観を楽しむ余裕があっただろうか?

 さて,走行と充電を繰り返して走行した第2ステージ。
 距離,勾配ともに厳しい最長レグに果敢にアタックし,そして完走したチームは5チーム。その中にはかてごり1
(鉛バッテリ搭載車)が2台含まれており,一気に310ポイントを獲得する。
 初日のリタイヤ経験からか,第2ステージのリタイヤ車は激減し,2〜8レグの総計で5台となる。

 第2ステージ終了時点で,カテゴリ1はNo.28 Team EV meltec(ワゴンR) を2.5ポイント差でNo1. team NISSEI
 / TGMY Ashida(シビック)が追う事となり,3位以下には50ポイントの差をつける。
 1ポイントはスペシャルステージの1秒に相当する。Ashidaチームのドライバーは「ジムカーナでの2.5秒はキツ
 イ」と泣き言?を言うが,心の中では・・・・・・・
 カテゴリ2は2台のみの出場であり,No.32 team 三菱自動車 EV R&DのFTOがNo.31 県民チーム「RAV」
 のRAV4EV(市販車)が2.5ポイントで追う。レース仕様のFTOに市販車がどれだけ追いつけるか?
 カテゴリ3の最大の目玉はNo.33 ASAHI MICRO EV TEAMのミニフォーミュラ型ミニカー。第1ステージは調整不良
 で痛恨のキャンセル(−20ポイント)。これを第2ステージで一気に巻き返し,1位のNo.37 OSU岡っぴき(カ
 ブ)から25秒差差,2位のNo.41 阿南高専機械工学科(カブ)に5秒差で追う形となる。
 カテゴリ4は2台出場。量車両とも第2ステージは最長距離を走行するが,No.46大阪市立大学パジェロは第1レ
 グのリタイヤが響き,No.47 福友会差を付けられる。

 第3ステージは松茂町の航空自衛隊までの往復(24.4km)とスペシャルステージ。
 公道レグはキャラバン的イメージが強く,大逆転はスペシャルステージ1,2にかかっている。
 第3ステージ第9レグのゴールは徳島空港内の滑走路に隣接したところ。スペシャルステージは滑走路の横にあ
 る誘導路で行うため,ジャンボがかすめるように着陸する。競技者は,コースの下見も忘れて見入ってしまう。
 
 SS1はラリージムカーナ。0.8kmのコースを目標タイム90秒で走る競技。持ち点50から誤差タイム(秒)を減
 点する。
 カテゴリ1はこれまでトップのmeltecが誤差4.792秒となってしまい,誤差1.448秒のAshidaシビックが逆転する。
 カテゴリ3は3位のASAHI MICRO EV TEAMが痛恨のパイロンタッチとタイムロスで15.977秒もの減点。1位のOSU
 カブは非力なホンダインホイールモーターのため20.92秒のロス。これで気をよくした阿南高専カブは強力モー
 ターに助けられて順調なタイムでゴール・・・・・と思ったら,ゴール直前のパイロンを忘れた様子で痛恨のミ
 スコース!50ポイントを失ってしまう。
 SS2は同じコースをタイムアタック。SS1はジムカーナになれない参加者のための練習走行的な意味合いも
 ある。
 ベストラップは王者の貫禄でFTOの60.278秒。これでカテゴリ2優勝を確定とする。2位はAshidaシビックの
 67.727秒。車も良いが,ドライバーの腕によるところも大きい(と思う)。これで,カテゴリ1優勝を確実とす
 る。
 カテゴリ3はASAHIのミニフォーミュラが素晴らしい走りをして80.036秒(SS2総合6位)。ミニカーが多く
 のストックカーを食ったことになる。また,これでカテゴリ3優勝を決める。

最終結果
カテゴリ1
 優勝  1 team NISSEI / TGMY Ashida 500.958ポイント
 準優勝 28 Team EV meltec 496.639ポイント
 3位  16 PUREX             424.994ポイント

カテゴリ2
 優勝  32 team 三菱自動車 EV R&D 503.274ポイント

カテゴリ3
 優勝  33 ASAHI MICRO EV TEAM 321.487ポイント
 準優勝 37 OSU岡っぴき 310.551ポイント
 3位  41 阿南高専機械工学科 279.439ポイント

カテゴリ4
 優勝  47 福友会 465.528ポイント

スペシャルステージ総合
 優勝  32 team 三菱自動車 EV R&D 108.274ポイント
 準優勝 1 team NISSEI / TGMY Ashida 100.958ポイント
 3位  4 大阪産業大学短期大学EVチーム 94.775ポイント
 4位  28 Team EV meltec 94.139ポイント
 5位  2 K&E / KEVC 91.006ポイント 
 6位  23 関電製作所 88.268ポイント

スペシャルステージ−1
 優勝  23 関電製作所 49.426ポイント

スペシャルステージ−2
 優勝  32 team 三菱自動車 EV R&D 59.722ポイント

最長レグ完走賞
     1 team NISSEI / TGMY Ashida カテゴリ1
     28 Team EV meltec カテゴリ1
     32 team 三菱自動車 EV R&D カテゴリ2
     31 県民チーム「RAV」 カテゴリ2
     47 福友会 カテゴリ4

特別賞
 エントラント投票1位
     14 コンバートEVクラブ カテゴリ1
 ブービー賞
     3 大阪市立大学電気工学科 カテゴリ1


競技委員長総評
 四国EVラリーフェスティバル'99が,事故などのアクシデントもなしに終了することが出来ました。しかし,
 全レグを通じて14回のリタイヤがありました。公道ラリーに於いて道路上での車両故障は一般車両に迷惑が
 及ぶだけでなく,EV普及活動を阻害することになります。コンバートEVの車検取得は容易となり,また車
 検が不要な原付・ミニカータイプのEVも増加してますが,決して甘えた気持ちで車両を公道に出すべきでは
 ありません。十分なテスト・調整を繰り返し行い,安全に走行できるEVに仕上げて貰いたいと思います。
 第2ステージの15時間は,あまりにも厳しい競技となりました。この間に走行と充電を行いながらポイント
 を重ねていく。この充電量で,どれだけの距離が走れるのか?車両性能だけでなく,バッテリマネージメント
 も含め,多くの要因が問われたと思います。
 第2ステージの全てのレグを走行すると238.2kmとなり,ガソリン車でも2速で登坂しなければならない登山
 道も走っていただきました。高性能バッテリ搭載車の性能を計るつもりでコースを作ったのですが,鉛バッテ
 リ搭載車が2台も完走するとは予想してませんでした。EVを愛する者としては,うれしい誤算です。
 スペシャルステージでは,ジムカーナを行って頂きました。始めて経験する人も多かったと思いますが,スラ
 ローム・180度ターンなどを行って,足回り,ブレーキなど,自分の製作したEVの極限性能を理解する手
 助けになったと思います。是非この経験を基に,走る・曲がる・止まるの基本性能が十分に発揮できるEVに
 仕上げていただきたいと思います。
 暑い3日間が終わりました。でも,これで終わりにしないで下さい。今回のデーターはきちんと整理分析し,
 自分のEVにフィードバックさせて下さい。そして,最高のEVに仕上げて下さい。皆さんの技術レベルが向
 上し,仲間に広め,素晴らしいEVが何百台もエントリーして主催者を困らせる日が来ることをお待ちしてお
 ります。

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