海部の山

●海部地域は、林野率80%の山間地です。その中味は、戦後徳島県で行なわれた拡大造林施策により60%の造林面積の蓄積となり、50年を経過した現在、年間30,000m3の素材が生産され、その内当組合では7,000m3を消費しています。要するに海部の山は「海部杉」と言える資源の宝庫となっています。

林業の近況と問題

●木材の最大需要先である木造住宅様式の変化は、木材の流通過程に変化をもたらし、林業生産活動の衰退を生じ、林産地は低迷をしています。このことは自然の節理を活かし、自然と社会が共存の出来る森林として、そこから生産されるその木材を住宅建設に利用する、木材の循環システムが崩壊しており、その対策が急務となっています。

海部の目標

●海部では、崩壊した木材の循環システムを再構築し、溢れ出している海部の宝である「海部杉」と言う資源を最大限に活かそうと考えています。そのために林産地(川上)と、住まい手(川下)を直接結びつけ、「新しい日本の民家」として提供する事で、川上と川下の相互扶助を図ろうとしています。

海部の決め手

●海部の決め手となるのが、木造住宅の在来軸工法の合理化であり、精密化、高速化、高度化した当工場のプレカット工法です。林産地がプレカットにより、大工等が行う高精度な継手の在来木造住宅の骨組み(土台、柱、梁等)を加工し、供給できるシステムを構築することで、人と自然の共存できる住まいとして、「日本の新しい民家」が提供できると確信しています。




清流海部川を有する
緑豊かな杉の産地