月記10
2006年1月〜12月

日記だと毎日書かにゃいかんような気がしたので月記にしてみました。
日付は入れてませんが上に行くほど新しくなります。
新規訪問店は店名が
赤字になってます
ときおり、後から写真等を挿入することがあります

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2006年12月

 「太郎うどん」なのか「うどん太郎」なのか、よくわからんのであった。どういうことかっていうと、満濃から丸亀行く道筋にあった「太郎うどん」が32号満濃バイパス付近に移転オープンしたのである。なるほど、これが新店舗かい、と思ってシミジミでもなくぼけーっと眺める。入り口右には、前の店でも使ってた「太郎うどん」の日覆い。その上には・・・思い切り「うどん太郎」。たしかここ、最初は「太郎どん」だったのが、ある日こっそり「太郎うどん」に改名されてたはず。いったい、どうしたいんだろう。ちなみに店内に飾られた看板には「讃岐饂飩 太郎」と描かれているし、通販のHPは「太郎うどん」である。まあ、そんなことはエエとして、あの上質の昆布を主体のまったり出汁とツヤのある麺は健在。その昆布の出汁ガラを「ご自由にお持ち帰りください」システムも健在。しょうゆうどん ※ふつう ※ええぶん(10分待ち) というのはあれですか、「ええぶん」その都度茹でるっちゅうことですかな。ともに値段は同じ。あと、かけうどんは「ひやかけ」「ぬるめ」指定可。新興セルフはいつも進化を要求されるんでたいへんですな。
 そういえば、まだここ行ってなかった「将八・フジグラン丸亀店」。あいかわらずちゃんとした店では妙にビビってエエもん頼んでしまう。天ぷらはさすがに揚げたてで美味い。出汁と麺のバランスも上々。ただ店全体に勢いがね〜・・・。やっぱり、ここは本店で食べるのが吉のようです。
 まんのう「アサヒ」。上記の「太郎うどん」なのか「うどん太郎」なのか、よくわからん店が元あった場所に入れ替わるようにオープン。「はなまる」または「満点うどん・和奏」に酷似したマークが印象的。いきなり目に飛び込んだのが『牛肉(皿に盛れるだけ)100円』のはり紙。これまで数件の目撃例があったが意外に長続きしない場合が多い、肉の(制限つき)とり放題。お盆の手前のホットプレートに牛丼肉の状態でダラダラ煮えています。「皿に盛れるだけ」とあって、まあ、こんなもんかなっていう大きさの皿。でもまあ、小市民は意地汚く山盛りにするんだよなあ。で、後になってかけ小との量のバランスが崩れて甘くて脂っこいうどんに辟易としたりして・・・。すみません、また来ます。
 で、一週間後に再訪。かけとゲソ天でシンプルに。この日の麺はかなり当たりでした。出汁も無難に美味い。これならふらっと立ち寄るに十分ですね。ふらっと用には日替わりサービスもあり。これに肉100円組み合わせると思いがけずリーズナブルかも。
※帰り道、こんなもん発見。


 第四回「うだつ寄席」無事終了。Kつるさん含め4人でミニツアー。「香の香」行った後、善通寺「亀八」跡にリニューアルオープンの「百こ萬」へ。ここの身内が同行してたんで、開店前だったがとりあえず入れてもらう。他に客がいないのをいいことに、皆で店ん中いじりだす (^_^;) なんやら怪しいもんよーけ売り出したな。年代もんのペコちゃんやら、マンモスだかナウマン象だかの象牙で作ったといわれる鯉やら。船の舵もあるが、そういや「木沢村」ではスクリュー売ってたな。船一隻バラしてじわじわ売る気か?メニューを見てると「特太うどんできます」とな。まあ、ここは細麺がウリの一つなんでその裏をいったか・・・と思いきや「特大うどんできます」の「大」の字のまん中に画鋲打ってある。ややこしいがな。大将にそのことを告げると、しばらく考えた後「・・・あの画鋲、(文字と同じに)赤く塗っとかないかんな」って、おいおい。
 久しぶりに食べた「しこぶっかけ」。シコシコと言うか、コリコリした食感の細麺、盛岡冷麺に近いイメージ。めっちゃあっさりして、胃の中が爽やかに目ざめる。二日酔いの朝なんぞには最適ですな。大将、画鋲どうでもええから早朝営業してくれんかな。カニカマはいらんと思うけど。同行者に一口分けてもらった「肉ぶっかけ(温)」これも肉の旨味と麺がよく絡んで美味かった。温いぶっかけでこんなに美味いのはじめてやわ。


 ちょっとした用件の隙に多度津「めん一」。そういえばここの「釜出しかけ」まだ食べてなかったのである。水で締めずに釜から直接とった麺を使用ってやつね。以前は茹で上がったのをたらいに一時キープしてたこともあったと聞くがこの日は10分ほどお待ちくださいとのこと。そりゃそのほうがええわねえ、特に夢2000使うならできたてに限ります。やや太めの麺は思ったほどぬめりもなく、しなやかである。ただ出汁がかなりしょっぱい。塩分含んだ茹で湯がからんでいるせいなのか、元々そういう味付けなのかわからんけど。
 詫間方面をパトロールしていると、突如うどんの幟が・・・。建物には水産会社の文字。その一角に「喜楽」なる流暢な文字の看板。怪しい。カーテンの奥は薄暗く、手探りで前進すると「きらくへようこそいらっしゃい お二階でゆっくりときらくにお過ごしください」との張り紙。この先に階段がありその上に店があるらしい。そこまで確認できたその時、上の方からおばちゃんの大音量カラオケが響いてきた。怪しすぎる。怪しすぎて次の一歩に進めない。二階に上がったが最後、もう帰ってこれないかもしれない。ここはいったん名誉ある撤退を決めた。こんな店誰も知らんやろと思ってネタあたためていたら、数日後De〜さんとこの「うどん有ります」に載っていた。しかも(急遽取材に行くべきところ)場所が不明なので助かったなどと横着なことを言っておるので、ここに書いとく。詫間電波高専から海沿いに荘内半島の突端に向かう道筋、「浦島太郎の墓」のたぶん手前だったと思いますのでよろしく。


2006年11月

 丸亀市「麺や」。ここのグループ、なんだか、最近着実にうまくなってるような気がするのである。気のせいかもしれんが。ちょうどいいくらいの堅さの麺と、濃くもなく薄くもない塩梅の出汁。そして早朝営業。ある意味今時セルフの標準点かもしれん。かけ小にアゲを取ってレジに並ぶと「180円です」とな。かけだけで170円だったん・・・言われただけ払ってなるべく店員さんと目をあわさないように奥の席へ。気配を消しながら喰う・・・いかん、美味いけど喰ってる気がせん・・・懺悔せねば・・・店を出た。そうか、たしかここは早朝サービスでかけ小100円だった。まだ続いてたんだ。
 高松市南新町「うどんや」。ただでさえインパクトの弱い店名。商店街の中でも大きなセルフ店なのに、茶髪にピアスにあごひげの兄ちゃんが愛想良く作ってくれるのに、いまいち存在感がない。うどん店の場合、とんでもない立地のトコ見慣れてるせいか、派手な場所の派手な店舗って意外と目立たんのよねえ。まあええ。ここで一つ、目立ったメニューを頼んでみる。『うどんやのうどんがさらに、さらに美味しくなりました。:誕生記念キャンペーン第3弾:しっぽくうどん小400円の品→350円』どや、派手やろ。えーと、前きたときよりは伸びきってない麺。じぃ〜っくり煮込んで、すべての具材がゴボウ風味になったしっぽく出汁。まあ、それなりに美味いんですけどね、季節もんは。
 坂出市「ともラーメン」。大政と並ぶ坂出二大ワンタン麺の一軒。表の鮮やかなのれんを一歩くぐると、中は歴史の生き証人。「カレーラーメン」なんちゅうメニューもあったりする。デビュー当時はさぞや斬新メニューだったんでしょうね。で、ワンタン麺600円。やや白濁したライト豚骨スープに手作りでちゅるちゅるのワンタンがどんぶりを覆っている。一見無造作だがていねいな仕事である。昔ながらの白コショウが合うタイプでもある。じーちゃんバーちゃんでやっている店だが、まあ、無理せんと頑張ってくださいな。
 三豊市山本町「わが家神田店」。前に偶然通りかかって気になっていたところ。セルフの定食屋さんだが、うどんの幟も立っている。あの鳥坂の「峠のわが家」の系列らしい。うどんメニューはこれかけ小をいただく。昼時をだいぶ過ぎていたので先客は無し。作り置き死に体麺を覚悟していたが、なんの、昔の食料品店で蒸籠に入れて売ってたあのタイプのうどんがでてきた。やや不揃い太麺。確かにこれは「専門店」でなく「大衆食堂」のうどんであります。これはこれで美味いですな。


 高松市「ひょうげ」。早朝(6:00〜)はセルフ、以後一般店となる店。早朝行くと、すでにビールで煮えていたおっちゃんらと大将が雑談中。かけ200円。やや扁平な不揃い中太麺、やわらかめ。昆布の利いたしっかり味の出汁でまとまっている。朝食べるにはちょうどいいうどん。
 さぬき市津田「松乃家」。以前から気になっていた「素らうめん」。うどん同様、茹で置きの麺をテボで温めて出てくるのかと思い1玉用どんぶり取って注文すると、「5分かかるよ」「望むところです」で、カウンターに座り待つ。生麺を冷蔵庫から取り出し茹で始めた大将「ネギしか乗ってないよ」「結構です」。どうも、あんまり作りたくないメニューのようだ (^^ゞ うどんの場合には完全セルフで、もちろんネギも自分で入れるが、ラーメンの場合全部店側でやってくれる。で、「ネギはスプーン2杯まで。3杯目から10円プラス」という厳しい掟のあるこの店、大将はどのようにネギを入れるか、固唾をのんで見守る。・・・お〜、スプーンにすごい山盛りで2杯。さすがに3杯目は入れんかった。まあ、フツーのラーメン。これで260円。安いんだか高いんだかよくわからん。
 高松市「ゴッドハンド」。内町「味匠」跡に出来た新店。『地上最強のうどん』なのだそうだ。根拠は不明。のれんは仰々しいが、中はいたってフツー、向かいのテーブルでおっちゃんがビールで煮えていた。かけにちくわ天。長熟タイプのぐい〜んと延びる中細麺。表面はツルピカにきれいだ。出汁はやや甘めの透明タイプ。「地上最強」かどうかはともかく、悪くない。店内に貼られた「当店のうどんに関する考え(できたて麺)」によると、釜からあがって10分で麺は死ぬ。よって、当店では常時10分以内の麺しか出さないとのこと。茹で時間から考えるといつも釜に数玉入ってるってことだな。本当に10分以内の麺でないと美味しくないのかどうかは議論の分かれるところだと思うが、実は天ぷら「注文で揚げることできます・1〜5分待ってね」という趣旨の張り紙もある。かけうどんと天ぷら注文して、天ぷら揚がるの待ってたらうどん死んでまうやないか! ってなつっこみを心の中で、しかも小声でつぶやいて店を出た。ビールのおっちゃんは2本目を開けつつ釜揚げを食べていた。
 坂出「柏原」。駅裏「和香松」の北の方に出来た新店。カウンターでビールの似合いそうなおっちゃんが二人(シラフで)大将と世間話中。元タバコ屋さんだったのを奥の部屋と続けて改造したらしい。かけ小200円。ネギ、ナルト、刻みアゲ、天かすのトッピング。時間的なものもあって、柔らかめな細めの麺。甘めの薄色出汁がたっぷりかかって見た目にも旨そう。実にゆる〜い空気が漂ってます。もう一回いってみよう。
 丸亀市に最近出来たラーメン店「じゃいあん」。ここを訪れた先人たちと同じく、ドラえもんつながりアイテムを探したがやはりなし。「焦がし醤油らぁめん」550円。いろいろ工夫の跡は見受けられるがよくわからん。スープは飲めたが、麺に粘り腰がなくあまり好みではなかった。


 某日、博多行き。ホテルにチェックインしたあとその辺をうろついていたら、なんと数軒先に「かろのうろん」じゃありませんか。これは博多在住うろんの神さんの挑戦に違いない。入りましたがな。かなり古い店舗である。善通寺「日の出」と高松「源芳」を足して割った感じ。ゴボウ天うどん430円。噂通り麺は柔らかい。これを持ってして、讃岐うどん食いは「こんなの、うどんとちゃう」と言うんじゃないかと思われがちだが、なんの、讃岐でもっと柔らかいヘタレ麺には何度も出会ってるし、「鳴ちゅる(鳴門のうどん)」はもっと柔らかくて不揃いである。ここのは柔らかいと言うよりふっくらしている印象。出汁は昆布主体で深みがある。アゴ出汁なんか使ってかなりクセがあるのかと想像していたが非常にスムースなのどごしであった。なるほど、麺の堅さと出汁の深みとの相関関係が見えてきた思いではある。


 某日、高松行き。移転なった「アズマヤ」へ。かつて椎名誠の『地球どこでも不思議旅』で「高松のさぬきうどんの真実」と語られた、うどんのある本格喫茶である。メニューには「Sanuki Noodle うどん」として「アズマヤのうどん」「おろし」「カレー」「ざる(夏限定)」「しっぽく(冬限定)」の5種。「デザートセット・うどん+ローゼorクリームぜんざい」1050円ちゅうのもある。元々そば屋だったりロイホだったりしたホテルの一階、厨房の使い勝手が悪いみたいでなんかのPケースの上で配膳したり、ちょっと大変そう。で、「アズマヤのうどん」525円。その正体はかけうどんに竹輪、アゲ、蒲鉾、海苔、薄焼き玉子、椎茸、ネギが華麗にトッピングされたかやくうどんであった。麺はたぶんその辺の製麺所作、作り置きなので推して知るべし。出汁はやや色濃い目でしっかりした味わい。今時ここであえてうどん注文するのってマニアとかそんなのくらいでないかなあと思うのだが、それでもここにうどんが存在し続けることが「さぬきうどんの真実」なのだろうとシミジミ思う。


2006年10月

 東かがわ市「宮川」。牟礼より移転。えらいまあ広くなっとる。入って右に実演コーナー。へえ、こんな名の粉使ってるんだ(内緒)。正面にセルフのカウンター。左に客席。もっと左には座敷もある。かやく300円(?) もちもちした不揃い太麺。透明な出汁だが、もやもやがかなり出ているのが惜しい。帰り際メニューを確認したが、『釜玉 又は 卵玉 350えん』ってなんじゃらほい(あ〜写真とれなかった)。釜玉=「からとった麺」+「子」だから、卵玉=「」+「子」で、えーと、玉子二個入りなんかい? あと、看板も謎。
 東かがわ市「元匠・東かがわ店」。瓦町の元匠が「ふる里・大内店」の跡に出店。かけ150円、細長いげそ天とともに。柔らかめの細麺に香る出汁。香るって言ったって、ちょっと無理矢理な香り。後味に響くか・・・。
 高松市「ふる里」。先のが「ふる里跡の新店」なら、こちらは「うえ松跡のふる里」。単なる偶然のようですが。天ぷらうどん500円(?) 中細麺に香る出汁。香るって言ったって「うえ松」のに比べると、ちとおとなしめ。
 三豊市三野町「喰回」。ラーメン「はまんど」の近くに数日前オープン。高瀬の渡辺一門とのこと。お〜、一門の証その一・メニューは「中」で表示、大・小は50円増減。天ぷらうどん小は450−50=400円ですな。一門の証その二・天ぷらは木の葉型オンリー。ここのはその上に小さめのエビ、竹輪、茄子、ピーマン、カボチャが乗っている。うどんの上にワカメ。その上に木の葉天だが、器に対して木の葉が大きいため中折れしてしまっている。机上のマグカップに入ったネギをかけて・・・。うまい。麺が生き生きしいて、そしてずっしり重量感がある。出汁は香り高く、コクがあってそれでいて透明感があり、徐々に溶け出す天かすとの相性も抜群。まだ開店して数日だというのにこの安定感、バランスの良さはどうだろう。久々に戦慄の走るうどんでした。難を言えば木の葉天に乗っけた具が多彩すぎて(小の場合)うるさい感じがする(まあ、この点は好みの問題)のと、四人がけの卓で真ん中に仕切を置くのはいかがなものかと。前が見えんが。


 最近ハマり気味の多度津「山よし」。未踏破の釜揚げ。まあ、そつなくまとめてはいるが、無化調だとつけ出汁はキツイかも。
 高松市「さぬき乃」。あまり知られてないが注目すべき若手職人の一人ではないかと思う。ぶっかけ(冷)350円。「天かす入出来ます」とのことで頼んだら、小鉢に一杯ついてきた。そんなにはいらんけど、大きな容器からすくうより、高級感がありますな。あと薬味はスダチにネギ、ショウガ、紅葉おろし、大根。ツルツルシコシコの細めの麺。日常臭たっぷりの製麺所系や無味乾燥っぽいセルフとは別に、こういう店は大事にしたいもんです。
 高松市「むらお」。川島本町の新店。折板っていうんでしょうかナミナミになった鉄板で作った建物に花輪がいっぱい。かけ200円。「あつい」と「そのまま」とがある。「そのまま」ねえ・・・。生粋讃岐人には言いやすい言葉なんかもしれんが、自分には隠語っぽく聞こえて、どうもこっぱずかしいんである。自分だけなら別にいいんですけど。やや不揃い太め麺。しょうゆ濃いめの出汁。トッピングにはネギ、天かすのほかワカメ、細切りの昆布が無料でとれる。味といい、ロケーションといい、客席が近所のおっちゃんおばちゃんで占められているのもむべなるかな。
 高松市「源芳」。ある意味業界の重鎮たる風格オーラを放つ店。前回はVIPメニューの山かけをいただいたので、今回は軽〜く「かけ」なんか注文・・・やはりオーラに負けて天ぷらうどん570円。熱々のエビ天が二本、細ネギとスダチ。プリプリした印象の麺。しょうゆの風味は強いが澄んだ色調の出汁。相変わらず箸はテーブルにバサー。


2006年9月

 映画「UDON」。香川ではさすがに好調だが、全国的にはいまひとつ入りが悪いらしい。まあ、いずれDVDで観りゃええわと思っていたところ、カントクと小西君が舞台挨拶するのでぜひ来いとのこと。瞬時に売り切れたという幻のチケットもって行きましたがな。
で、腹ごなしに「松岡」で大。何軒も回る予定ないので大注文できるのがちょっと嬉しい。調子に乗って「丸善」@『UDON』HPでじーちゃんが出演してた店 で天ぷらうどん。天ぷらが微妙に木の葉型・・・いや、サツマイモ型。赤板がえらい大きいぞ。
映画の方は、まあ、予想通りマニアにしかわからないエピソードの羅列であって、全国向けには何のこっちゃ分からんだろうね。飽きることはなかったけど。ただ、身近なもんが大々的に取り上げられてその点ではちょっと嬉しい2.


 琴平町「こんぴら街道」。週末の「宮武」は、もはや行列を見物しに行く場所になってしまった。その手前、「カントリー」に向かう角に先月出来たセルフ店。看板に描かれた、映画のと微妙に異なる『UDON』のロゴに少し引く。かけ小170円にゲソ天80円。新規店だから当たり前(でない店もあるが)だけど、まあ、清潔感のある店内。電子レンジや子供用椅子など、心配りもそれなりに。うどんはセルフ標準。有名店の多い場所だけにむしろこういう路線の方がいいのかも。
 翌週newレオマワールド「UDON」展へ。映画「UDON」のセットが再現されているのを見に行く。元フードコートのあったところですな。展示自体は無料だが、遊園地自体の入場料1000円なり。なかなかリアルに再現されてます。TJ編集部のセットも再現してあるが、隅の方の段ボール箱に貼ってある宅急便の伝票が某所発HOT CAPSULE宛で、本物やん(笑) 前々から気になっていたこと、この映画に出てくる松井製麺所には汽車の時刻表が貼ってある(それは現実のうどん店でよく見かけるのでリアルさアリ)のだが、なぜか高瀬駅発着と丸亀駅発着と両方あるんだな。普通こんなことはあり得ない。メイキングの映像の時点から私は見逃さなかったよ。まあ、そんなことはどうでもいいのだが、ここで「松井製麺所」のうどんが食べられます!ってことで。かけ300円、ゲソ天100円。どんなんかな〜、って、見事な冷凍麺。ほぉ〜、大人から小さな子供にまで愛されたあの松井のおっちゃんのうどんはカ○吉やったんやー。でも天ぷらがほんまもんだったんで、許す。まあ、話のタネやし。


 善通寺市「大川製麺」。香川県観光協会が『うどん人-うどんちゅ-の旅』というタイトルでスタンプラリーを始めた。その詳細云々については省くが、特筆すべきなのはあの「ベビー用品大川」が一般の店に混じってエントリーしていること。ラリー期間中は店頭でフツーに食べられるのである。けっこうレアな状況ではある。注文するとちゃんとお盆に乗った丼に、天カス・ネギ・生姜トッピングの麺@だし醤油かけが出てきた。それ用に玉とって置いてあるんだろうか、いつもほどの活き活き感はなかった。それよりなにより、店頭のテーブルで食べてると、奥で麺湯がいてるおばちゃんのギャグ100連発が聞けんではないか。う〜ん。
 坂出市「日の出製麺所」。日曜日だったが、意外に行列が少なかったので寄ってみる。座席二順め、さほど待つことなしに座れた。醤油とかけと竹輪天で250円。いつ見ても美しい麺である。製麺所系では今一番クォリティ高いと思いますね。もうこれ以上行列はいらんけど。


 高松市「まるいち」国分寺店。もうええ加減どこの「まるいち」行ったか行ってないかわからんよーになったが、残すはここと大学通り店だけのはず(本日現在)。ここはなんとて釜揚げを喰わにゃならん。え〜、期待通り麺の量ひかえめ、ネギ、生姜も必要最小限。食べ歩きのウォーミングアップには最適なのである。香川最多のセルフチェーンだから、うどん自体の個性はさておくとして、清潔な店内、きちんとした客あしらいはやはりここでも感じます。店の奥に喫茶(コーヒー自販機)コーナーみたいに区切ったエリアがあったが、ぐだぐだ居座るときはそこに座ればいいのだろうか。
 三木町「エスパーニャ・ドッグラン内 こむぎ」。そもそも「ドッグラン」なる物を知らなんだ。まあ、ペットの犬を連れ込んで遊ばせるとこらしいですが。そこでなんでうどんなのかわからんが、お大師さんとうどんについてはなにがあっても無問題なのが讃岐カルチャー。かけ170円。天カスいっぱい入れたった。帰りに50円引きのサービス券くれた。わ〜い。
 高松市「あづま」。近くまできたんで、かつて「高松最東端」の名をほしいままにしていたこの店に寄ってみた。行政の都合で高松市の縄張りが東に広がったので最東端の栄誉ははく奪されたが、ちゃんと貼り紙も剥がしてある。よろしい。うわさの高野豆腐の天ぷらをぶっかけとともにいただく。ジューシィ〜♪ 
 高松市「やまと」。またいきたくなった「やまと」。均一料金の「やまと」。ここはコスパ高そうな「肉うどん」180円。「お待ちいただければ今から茹でますが・・・」OKである。せいろにも何玉か残っているのに悪いねえ。お〜、生地を延ばすとこから始めなさった。よく考えたらこのチャンスに釜揚げでもよかったが、まあええ。肉トッピング型ではなく野菜とともに煮込んでありしっぽくっぽい。当然出汁の感じもこってり感プラスでええです。


 坂出市「とらや」。前回「こういう麺は冷たいほうが」「冷たいメニューいただきにまた行きます」と言っていたのも瞬時に忘れ、あったかいかけ小220円。「注文してから麺を湯がくのでお待たせする場合があります」とのことだが、常時注文後湯がいているなら、『場合がある』じゃないだろうと思うがどうなんだろう。いやまあ、こういう店はそれはそれでOKですけどね。ラーメン屋さんなんかみんなそうだし、ここは比較的茹で時間短いからね。ツルツルシコシコの細麺に細ネギとカツオ・ワカメ(サザエさんかよ)のトッピング。美味い。次こそは冷たいの、いくぞ〜。
 丸亀市「さぬきや」。ひさしぶり〜。実に大衆的な空気であります。釜あげとともにここの看板メニュー「きざみうどん」399円をいただく。(消費税の関係か、504円とか577円とかややこしい価格設定となっている。この際400円、500円、580円という風に均してもいいように思うのだが)大きめの丼に麺たっぷり、さらに透明感のある出汁たっぷり、さらに出汁で軽く煮てある刻みアゲとネギたっぷり。厚手のアゲはふんわりと、それでいて中の豆腐部分はしっとりとして美味い。食べ歩きむきではないが、フツーな昼飯としては珠玉のメニューではあります。


2006年8月

 高松市「たも屋林店」。あのTVチャンピオンの (-_-;) 「たも屋」の新店。本店同様、朝7時からの営業がうれしい。日曜ということもあって早いうちから駐車場はほぼ満杯である。かけ150円にサラサラの天かすをかけていただく。なんというか、インパクトがやや弱いかな、と思うのはむしろ無添加にこだわるが故でしょうか。その意味で「凄いうどん」ではない。「すばらしいうどん」ではあるかも知れない。近場にあるといいなと思う店。
 高松市「馬渕」。昔は何度行っても覚えられないややこしい場所にあったのだが、サンフラワー通りが出来たり、レインボー通りの「ふーずらんど」から広い道が抜けたりして、今度は偶然前を通りかかることが多くなった。「あ〜、馬渕って、ここだったんだ・・・」何度つぶやいたことか。あてもなく車を走らせていて通りかかったら、これは寄るしかない。寄ったはいいが、システム忘れた。とりあえず周囲の気配を瞬時に読んで「一玉」で注文(「小」でないことに注目)。丼を受け取ったその時、おばちゃんの視線がそれた(気がした)。それをもって「後払い」と解釈したのは一生の不覚。席についた瞬間気付いたのだが、もう引き返せない。半分食べたあたりで支払いするのもかえって怪しいし。針の筵状態で喰ったうどんは、しかし、ほどよい柔らかさの麺に出汁が馴染んでうまかったです。


 坂出市「やまだうどん額店」。7月にオープンした綾川町の「やまだうどん」の2号店。ややこぢんまりしたセルフ店。かけに天かすのせて・・・。綾川と比べるとやや細めのすらっとした麺。出汁はカツオが全体をリードするタイプだが、わりとすっきりしていてまとまりよし。好感度高い味ですが、あいかわらずの中途半端な民芸調の外観は、讃岐うどんの店としてはなんか馴染まない。
 高松市某店。某所でやってて有名になった某店が2号店として某食堂をうどん屋にリニューアルオープン。えーと、まずはセルフでかけ280円は高くないか? で、出汁が麺からでたモヤモヤでどんより濁っている。もうこの時点で食欲大減退。味のこと語るまでに至らない。開店記念の粗品くれたのの悪いけど、また今度、ね。
 高松市「やまと」。マルナカ木田店の向かい、元・あの○○○が玉買いに来たという「多満屋」のところに新規オープン。外観、内装はほぼ前のまま。メニューはかけ、肉、カレー、釜あげ、釜玉、ざる、ぶっかけ、以上all 180円。一番コストパフォーマンス悪そうな(あとからメニューじっくり見て気付いた)かけを注文。細めでエッジのしっかり立ったストレート麺。出汁はカツオ主導かな。みてくれは古いが中身はちょっとニューウェイヴ系。新旧のバランスよく、ホッとするほど美味い。店の人たちの対応も感じよく、一気にお気に入り上位ランクです。まあ、怪しさ第一とか極太麺にイリコ出汁至上主義の方には『?』かも知れませんが。あと、この時期は店内ちょっと暑いですかね。(そのせいでもなかろうが、油断してるとかき氷屋さんに見えなくもない)
 志度某店。奇妙な麺である。エッジがなく丸みを帯びた断面。プリプリと弾力はあるがコシがない。なんかボソボソして食感が普通ではない。なんか特殊な麺打ち機を導入しているらしいが、どうにも理解に苦しむ機械である。あと、ぶっかけの麺くらいきちんと揃えて盛るべきでは? 批判的な評価を書く時は大抵店名を伏せるのだが、ここは元々が鍋もんとかの有名店なので、そうとだけあえて書く。


 いけだ阿波踊りバザーのうどん。8月14〜16は阿波池田の阿波踊り♪ 某所のバザー&休憩所でうどん&生ビールっと。製麺所直送とはいえスーパーで売っているのと多分同規格の袋入り麺と既製の濃縮出汁。なのに無茶苦茶美味い。こうしてみると、あの連絡船うどん、あれと似たようなもんである。今ではあの独特の風景と郷愁が味の記憶を美化させたという説で納まってはいるけども、やっぱりそれなりに美味かったのかも知れない。150k超の剛速球と130k台のコントロール絶妙なスライダーは交互に見なきゃな。


 盆前はなんだかんだいって忙しいフリをしなければいけないので早朝うどんツアーっと。
 坂出市「麺や」。この時点で6時40分。目の覚めるようなオレンジの盆。見た目よりアッサリ味の出汁が早朝の身にしみる。
 多度津町「橋本」。赤板、竹輪、三角卵焼きのトッピング。イリコの魚臭さと強めの醤油の風味、それらを生姜がまとめあげた古典的うどん。これはこれで守り続けていって欲しい味ではありますね。
 多度津町「山よし」。ぶっかけをいただく。レモンの切れが大きくていいです。なかなかクオリティの高い麺です。
 多度津町「味でこい」。なぜか多度津は早朝店が多いですな。ネギだけのトッピングで潔さを感じるシンプルな「かけ」。あ〜、店長かわって味もちょっと前と違うような・・とか思っていたらその直後閉店の話を耳にしようとは・・・。
 ここまでで9時10分。いそいで帰って後は何食わぬ顔でお仕事。


2006年7月

 丸亀市「なかむら」。朝イチで丸亀方面に向かう。とりあえず「なかむらバイパス」を南下。まだ車がほとんど停まってないのを確認して駐車場に。客数人、奥で息子さんがうどん打ってます。やっぱりあれかなあ、芸術とも奇跡ともいえた先代の麺に比べると少し固コシ気味か。まあ、親子だろうが師弟関係だろうが全くのコピーというのはあり得ないし。
 丸亀市「つづみ」。洞窟化したアーケードの半ばから日の当たる南出口角に移転。営業時間が7:30〜と早朝うどんの仲間入り。しかも10時まではおでん1本(またはおむすびかイナリ寿司)である。モーニングうどん推進派のワタクシとしては嬉しい限りである。あんまり嬉しいのでこの店で二番目に高いメニュー「双子ちゃん(肉+梅)」480円を注文。∞の形をした器に肉・梅・餅・エビのうち二種を選んでぶっかけで食べる。ん?そういえばこの店ではこればっかりかも。全国共通定番かけを食べたことないなあ。やや太めの麺に奥深い味の出汁がからんでなかなかに美味い。次はかけ出汁を試したいな。
 丸亀市「おふくろ」。私の持ちネタ「スイカうどん」は実はここが舞台なのであった。冷やしうどんを頼むと氷水に漬かったうどん(この時点でおばちゃんがちょっとここでは書けない技を披露する)その上にスイカが一切れ乗って出てくるのだ。このスイカがジューシーで無茶苦茶美味い。ジューシーすぎて果汁が氷水にどんどん流れ込む。ほどなく丼のなかは薄ピンクに。そしてうどんはスイカ味に・・・。麺が太め不揃いで冷やしにはちょっとごわごわするがそんなことはどうでもいい。実に楽しいメニューである。おばちゃんと息子さんの二人で営む明るくアットホームなうどん店。いい店です。


 善通寺「日の出」。新調した紺の暖簾がまぶしい。古民家を改造したレトロ調の店はよくあるが、リアルレトロというのは意外にない。琴平「さらさや」閉店の後は、このあたりではもうここぐらいしか残ってないのかも。お大師さんとうどんのこととなるとなんでもありの香川なのだから、こういった店は早急に県指定歴史的建造物として保存すべきですね、映画で浮かれてなんかいる前に。
 善通寺「公美食堂」。枕詞は『おばけうどん』。おばけのごとく巨大なアゲのきつねうどんである。ここへ来るとどうしてもこれを頼まずにはいられない。アゲのでかい店は各地にあるかと思うが、ここのは面積だけでなく厚みがある。自家製なんだろうか。これだけの体積だから相当の煮汁を吸っているだろうな・・・と思う以前に若干濃いめの出汁。さすがに老舗らしくそれなりにバランスは取れているのではあるが。本来は88ヶ所の善通寺〜甲山寺ルート上の街道筋にある、門前店という位置づけだったのがいつしかご近所の寄り合いの場となった感のある店内。千年レベルのゆったりした時間の町ゆえのゆったりした空間。
 善通寺「亀八」。西の方のセルフ店ではかなり高レベルだと思う。今日はぶっかけ280円+ゲソ天80円。冷たい系だと麺がちょっと固すぎるかな、という気もするが、この手のセルフなら伸び切ったフニャ麺よりバリ固の方が正解かと思う。トッピングのレモン、個人的には不可欠です。カニかまは・・・要らんな。彩りはいいけどかえって安っぽく見えるんだな。
 まんのう「兼平屋」。暑かったのと出汁の塩分でノド渇いたのでここに寄る(笑)。ウォータークーラーに入った『荒神の名水』ウマ〜。で、かけ200円。独特の黄色い天かすと緑のネギ、赤い唐辛子が信号みたいで美しい。いかにも中讃なエッジ麺にホッとするようなイリコ出汁。なんか、だんだんと行くたびに惹かれる店ではある。


 高松市「なかやま」。ここもまあ、早朝店の一つ。枯れかけた民芸調の店内である。かけ200円。アゲとカマボコ二種がトッピング。麺柔らかめ。特筆すべきは出汁である。白湯かと思うくらいに透明。昆布と塩主体の味、これで全体のバランスを取っているみたい。讃岐うどんとしては珍しい部類に入るな。まあ、朝イチだからこういうサッパリ系はそれなりによろしいかと。
 志度「いきいき」。いつのまにか増殖する「いきいき」うどんグループではある。入るなり主要スポーツ新聞が各紙並べてある。贔屓チームが勝った翌日なんぞいろいろ読めてよろしいな。良くも悪くも味的に特筆するものはあまりないと思うが、『いごこちのよさ』への心配りはグループ各店それぞれに評価高いんでないかと思う。
 坂出「みささ」。あいかわらず不揃いな麺。今日は目の前でおっちゃん生地を延ばしておったが、もう少し真四角に延びんもんかと。ところがこれをいったん食すと、一本一本違った食感が口のなかで複雑に絡み合ってなかなか楽しい。「ラーメン発見伝」で麺の太さを数種変えて新しい食感をひねり出すネタがあったし、上戸君のところなんかも意識的に太さを変えてはいるみたいだけど、天然で実践しているこの店はある意味凄いと思う。(ただし、おでんの取り皿はなんか違うもんにしてほしいが)。そしてここに来るとまた、甲子園高校野球の季節がやってきたなあと感じるのであった(謎)
 宇多津「まるいち宇多津店」。あの「明治城」の駐車場内に突如出来ていた。「まるいち」のつけ麺系は量が少なめ、の法則はここでもかたくなに守られていたのであった。
 大野原町「あさの」。今月旧大野原役場横にオープン。出来あがったうどんにオプション取って清算するこのごろセルフ。もともと喫茶・バー・スナックの部類が入ってたんでしょうか、大きな窓はふさがれ、打ちっぱなしというより内装を引っ剥がしたんでないかと思われる壁面。こんだけラフな作りは旧香川町の初期「名もない・・・」以来かも。あんまり高そうにない普請の中でハイビジョン対応壁掛けTVが異彩を放つ。かけ200円、天ぷら100円。微妙に高めか。かたちの揃った中細麺(時間帯の事情で柔らかめ)、わずかに魚臭さが残るがまあすっきりした出汁。かけ・ぶっかけ・醤油(各冷&温)とオプションのみ。あと、生ビール。
※多度津町「平成」裏に「セルフうどん・山よし」(建設中)発見


2006年6月

 山本町「まなべ」。以前この店について書いたとき「一般の人が一般的に思い浮かべる結構うまい一般店」というフレーズを捻り出した。その思いは今回再訪してさらに強固なものとなった。ほんま普通なのである。普通ということはマイナスポイントが極めて少ないということである。それゆえ、美味いうどんを安心して心地よく味わうことができる。製麺所系に飽きたらその都度「まなべ」に戻ろうじゃありませんか。それと、ここはたしか中華も自家製麺だったはず。また試したいな。かけ小250円
 観音寺市「瀬戸」。フツーな店を賞賛したあとで、ある意味色モンな店。『お待せ』とわざわざ書かれた「シャコ天うどん」520円。ぶっかけうどんの上に、寿司ねたでお馴染みのシャコが約5本、揚げたて天ぷらとなって乗っかっている。熱々でプリプリで甘くってウマ〜イ♪
 豊中町「某食堂」。とある「三豊のラーメン」関係のHP見て行ってみた。旨味成分が薄く、醤油の辛さだけが目立つ。少なくとも私には向いてない。「一源」「屋台屋」「小浜食堂」「中田屋」「浦島」等の有名どころはかなり美味いと思うので「三豊ラーメン」自体はアリだと思いますんであしからず。中華そば450円。
 観音寺市「安並」。「あの中村の・・・」が枕詞につく「安並」。まあ、うどんちゅうもんは同じ製法でも打ち手の個性が出るもんで、特に若手とベテランの間にそういうことがありがちだったりするんですが、やはり「中村」系に比べて若々しい勢いのある麺を感じますなあ・・・とおもいきや、飯山「なかむら」にジュニアがデビューして似通った感じになっちゃったな。あとは麺と出汁とのバランスが課題でしょうか。クォリティは今でも高いんですけど、やはり話題の店、注目の店は厳しく、と。かけ小におっきなエビ天で250円。
 豊浜町「うどん亭讃岐」。ひさしぶりというか、リニューアル後始めて。今まであったカウンターはそのままに、その向こうにあった厨房が裏の部屋に移ったみたい。大将一人でまかなっているようで、注文聞くたびに奥に入って行って、店が無人状態になる。まあ、のんびりしててそれはそれでいいんですが。カレーうどん小330円。あっためた麺にカレーライス用のドロッとしたルーをかけて福神漬けどっさり。この店独特の粘り腰麺で美味いですが、気温が高くなってきたのでしんどかった。あのおでんをグツグツ煮ていた火鉢は、お土産生麺のディスプレイに使われ、余生を過ごしているようです。


 鳴門市「みつい」。いわゆる「鳴ちゅる」うどんの名店である。「鳴ちゅる」とは、『新うどん聖地』と一部のマニアの間で称される「鳴門のちゅるちゅるうどん」の略である。きざみうどん400円(?)高加水率で作り置きの柔らかぐにゃぐにゃ麺、深みのある美味い出汁。刻み油揚げのトッピング。この三点が基本。とはいうものの、ききしにまさる不揃い麺である。なんだろう、和風出汁でワンタン食べてる食感に近いかも。いいかげん讃岐の麺主体のうどんに染まってきた体質では、どうにもカルチャーショックを禁じえない。とはいうものの、讃岐うどんとて入り口も出口もカルチャーショックなんだろうと思いますがね。好みとしては「大井」と「船本」の間くらい。って、同じ時期に食べてないんでなんとも言えんですが。
 鳴門市「三八斉田店」。いわゆる白系「徳ラー」の名店である。これで旧本店、黒崎店、徳島店、新本店と全店制覇したつもりだが、ここのんがスープに深みがあって一番美味かった。卵入り500円


 琴平町「宮武」。今年のGWはエライことになってしまった。一部有名店に観光客が集中しパニックが予想されたために、いくつかの店が休業せざるを得なくなってしまったのであった。いろいろ議論もあろうかと思うが「讃岐うどんって、そんなものじゃない」って折りに触れ語ることしか私にはできませんのであしからず。で、宮武の大将、ここ数年は連休なんかのあとしばらくは麺線が乱れる現象が目立ってきてましたが、先日の某テレビ番組での弱気ともとれる発言で、少しづつしみじみとここのうどんを食べることになるのかなあと、遠い目をしながら店に入る。平日の開店早々ということで、先客はカウンターに5.6人のみ。話しぶり(いかにも近所の世間話)と服装等からみて周辺の常連の方々と思われる。「讃岐うどんって、こんなもんだよなあ」と思いながらうどんをいただく。味のことはもう、語りません。
 高松市「ぼっこ屋」。仏生山の東に、今年5月オープンの店。
(1)かなり広い駐車場である。かけ150円。大だと200円。
(2)さらに+80円で特大(3〜5玉)となるらしい。5玉280円はほとんど玉売り価格だな。
(3)営業時間が9〜18時と長い。
(1)〜(3)を総合すると、付近を通るドライバーには嬉しい店かもしれんね。まあ、フツーのセルフですが。
 宇多津町「讃岐の里」。むかし、ここが新進気鋭のセルフ店だったころには何度か行ったけど、それからエライ久しぶり。今も結構繁盛しているようでなにより。でもまあ、しばらく見ないうちにだいぶん煤けてきましたなあ。ただそれが悪いほうに向かっているわけではない。いい枯れ方してるなあと思う。当初は麺の勢いで食べさせるところがあったような印象だったが、今は出汁と麺と店の空気との調和で食わせるタイプと見た。こういうところは、たいていの場合「かけ」に天ぷら乗っけてコロモが出汁に溶けこんだのをすするのがうまいのであった。
 まんのう町「山神」。ここも久しぶり。かけ小200円。あいかわらず、細めながらエッジが立って質感のある麺、イリコ主体の香る薄味出汁。宮武系を女性的に均したうどんと言ってみたい。改装されたり看板がでたり、初期に比べて怪しさが減少したが、ここはまあ、今くらいがちょうどいいんでないかとも思う。意外にオシャレっぽい店だから。


2006年5月

 善通寺「お接待うどん」。『善通寺創建千二百年』だそうで、七ヶ所参りなんぞ試みてみたりする。車なら数時間で廻れる話ではあるが。で、とりあえず善通寺さんに行ってみたらお接待うどんが始まっていた。6月からと聞いていたのだがまあええ。敷地内にテント張って早くもお客さんで満杯。市内周辺にある何軒かの製麺所から麺を仕入れてボランティア?のお接待さんが備えつけられた大釜で茹で、出汁かけて渡す。もちろん無料。あの洋菓子の箱は大川製麺のだな。あと、松井の印もあるが、これは映画「UDON」の松井製麺所ではなくこの近所の松井さんとこ。美味い不味いではない、これが讃岐の風景ってことだな。有名店の行列に並ぶより、こっちのほうがずっと面白い。で、七ヶ所参りの途中に「うどんあります」発見。


 高松市「めん」。さぬきうどんの魅力のひとつは『ぬるさ』であると言ってみる。出汁の話ではない。空気の『ぬるさ』である。昭和50年代の創業と聞くが、老舗ならではの空気のぬるさがここにはある。どこがどうといわれても分からないが、とにかくそうなんだから仕方がない。で、この店、駐車場がないのも私らにとっては難点なのだが、10時開店ということもあって、早々に行くことが多いのだが、そうなるとゴボ天、野菜天がまだ揚がっていない。「めん」という店名なのに天ぷらを目指して行く店、それなのに「カケ」のみですませること何度か。またやってしまった・・・。店の空気以上に探訪者としての自分がもっとぬるかったりするのであった。
 高松市「明石家」。丸亀町の商店街ど真ん中、たしか靴屋さん跡に今月出来た店。奥はカウンターで道路に面したあたりがオープンカフェ風。まあ、アーケードの中だから雨風の心配はないが、商店街の通行人わらわらのかたわらでうどん喰うのは、「なかむら」や「蒲生」でそこら中歩きもって食べるよりなんか恥ずかしい気がして奥にはいる。で、かけ160円と天ぷら取って(なかなか店舗に合うこぢゃれた丼やん)奥に行くと『たまも』のせいろが・・・。あとで聞いた話では今はなきフェリー通りの『たまも』の親戚だとのこと。細めやわらかめの麺。カツオがかった出汁。まあ、高松標準タイプかと思うが、せっかくこの店舗でやるなら、勘違いしたような堅めアルデンテ麺で価格やや高め、ニューウエイヴ風なうどんもよかろうと思うのでありますが。
 高松市「風月」。実はこの日はうどん喰いに高松来たのではなかったのである。紺屋町の方に用があって、あくまでそのついでにうどんを食べているのである。そのような謙虚な姿勢を天は見殺しにするはずがない。目的地と駐車場の間に新店発見。のちの情報では「明石家」の少し前にオープンしていたらしい。これまたうどん屋らしからぬオシャレっぽい店。看板までラーメン屋風である。奥に細長くカウンターで10数席か。メニューをみると、おー、見事なピラミッド。妙に感動。かしわ天+かけ600円をいただく。ふむふむ、つるつるしてシコシコした麺に透明イリコ出汁。なかなかいいんじゃないですか。揚げたてのかしわ天は見た目以上にボリュームあり。ランチタイム勝負の地区だけに、ある程度の金額と量はやむを得ないのかもしれない。↑の「明石家」さんとこで書いた「ニューウエイヴ風なうどん」とは、たとえばこんなうどんなんですがね。とにかくいい店だと思います。あえて難点といえば、テレビの映りが悪い。


 なんとなく、高松市「元匠」。もともと街のうどん屋というのは、わざわざ行くというよりそこにあるから行くもんである。だから、天満屋のへんまで来たから「元匠」に行くというのは正しいのである。店の評価はそれからだ。開店直後ということもあるが、の〜んびりした雰囲気。あとで気づいたが、厨房が別(2F)なんですね。1Fの厨房もどきの場所はおねいさんが配膳するだけ。それゆえにガチャガチャした空気が伝わってこないのかもしれない。ヒマになるとおねいさんいつもコミックかなんか読んでるし。それもまたよし。かけ140円。トッピングに天カス二種と削り節。ここはイリコ風味の出汁が美味いんだなー。麺はつくりおきでまあ普通、というか、このほうが出汁によくあうのはたしか。
 塩江「谷岡食堂」。うどんもあるが、ここは中華そば。塩江系とでもいうのだろうか、古典的醤油味の濃い目濁らないスープ。何十年か前に高松から伝播して、微妙に田舎風にアレンジされつつ、オリジナルに近い形でそのまま残ったのだろう。ナルトでなく赤板。海苔はご飯用(笑)。トッピングは結構多い。
 丸亀市飯山「てっちゃん」。あの坂出の2号店だそうな。赤と黒を基調とした焼肉屋か中華料理屋のような外観。まあ、坂出本店のパステルカラーよりはずっと普通ですが。時間の関係で惣菜天ぷら関係はすでにほとんどなし。おすすめらしいゴマだれうどんをいただく。このとき午後4時。他に客おらず。こんな時間に何というピチピチのうどんだろうか。ある程度幸運かもしれんが、常時この品質を維持しているとしたらエライことですな。ゴマだれもナイス。あと詳しいことはもう一回フツーな時間に行ってから。


 久しぶりの小豆島行き。瀬戸大橋並みにコストかかるんで一軒でも多く行っときたいところではある。が、まあそれはそれとして綾川の「麺や」。朝早いのは七難隠す。いや、エエ店ですよ。で、船に乗り込んだら売店でうどん。こんなもん宇高連絡船時代からのお約束。たしか大島の麺。ここまでではや2杯 (-_-;)
 土庄町「來家」(おいでや)。オープンしてから3年目くらい。民芸調の外観、店内吹き抜けはこんなことになっている。雨にもかかわらず開店時からどんどん客が入ってくる。しかもグループ客が多い。島内のちょっとしたお出かけ処になっているのだろう。ストレートな堅コシ麺。うどん7:素麺3くらいのブレンドみたいな食感。出汁も明らかに小豆島タイプの色と風味の濃い醤油が目立っている。セルフ店として上陸した讃岐うどんが、この島独自のアレンジで進化したといった感じ。もう、これは(讃岐というより)小豆島うどんですな。
 次の目的地に向かう途中で『小豆島ふるさと村』寄ったら「こびきうどん」420円ちゅうのがあって喰うてみた。素麺を延ばしていく過程の途中でうどんの太さにとどめたもんらしい。丸くてべちゃべちゃした麺。なんだかなー、素麺とうどんの悪いとこ取りみたいな食感。無理すんなよ、といいたい。こんなんやったら素麺の節でなんか作ったほうがよっぽど美味いし現場ならでは面白さがあると思うのだが。
 小豆島町「うどん屋」。旧池田町の住宅地にひっそり開店した、ちょっとだけ話題の店。砂利の駐車場にプレハブの店舗。うん、「讃岐」の匂いがするぞ(笑)。で、適度にねじれたコシのある麺、ほのかにイリコの香る出汁。讃岐うどんの定義って難しいけど、讃岐うどんの典型って、多分こんなんやろと思わせるうどん。小豆島、恐るべし。・・・でも典型讃岐なら讃岐からわざわざ食べに行くってのもアレか?
 でもって「二十四の瞳映画村・麺房竹林寺」でそーめん喰って、森國酒造行って、まあいろいろあって、土庄に戻り「ます家」。マルヨシセンターを核とした複合商業施設の一角に最近オープンした店。あの「もり家」の出身らしい。とくればかきあげうどん550円ですな。メニューは「もり家」とよく似てるが、場所柄か価格はほんのわずか高めか。ほー、やっぱり出た、どんぶりを覆い隠す巨大カキアゲ。7軒めでこれ食えってか? 自分で選んだ道なので黙っていただきます。ピークの時間帯とっくに超えてはいたが、特に問題もなく、ソツなく真面目に作られたうどん、という印象ですか。心持ち出汁が薄めだったようには思いましたが。
 ※かつて「香川最北端のうどん店」の異名をほしいままにした「やすごろう」は「やすごろう食品店」になっていました。
 ※このあと濃霧でフェリーがストップ。一時はどうなることかと思ったアクシデントも今は昔・・・。
 ※今回、ほんとはここに行くのが目的だった。で、本日臨時休業だと。


 世間は映画『UDON』で盛り上がっとるらしい。まあ、なんかやっとるのは聞いていたし、撮影の関係で有名店が臨時休業していたのでほんのちょっと迷惑したぐらいの認識しかなかったのである。したがって、某所でこんなもん見かけても意味わからんかった。まあええけど。
 で、丸亀のお城祭り内「競艇のおばちゃんの店」にて一杯。もちろん「丸亀製麺」の四角〜いどっしり麺。
 あと、毎年個人的に恒例「GW並ばずに入れる名店シリーズ」。今年はなんか都合つかず「小浜食堂」のみ。開店5分前に覗きこんだら開けてくれた。したがって先客ナシ。こういう店いっぱいあるから、せめて地元系の人間は行列店避けて少しでもパニック抑えましょうや。


2006年4月

 善通寺「いきいき」。一部の有名製麺所系うどん店が緊張感高まる行列店となった今、モーニングうどんとしてはそう悪いもんでもない。朝の客もまばらな時間帯(麺はややツライもんがあるけど)ここのだだっ広いスペースと強力な空調はいいもんであります。かけ小にちくわ天。
 高松市「讃州中屋」。ゆめタウンの北に今月オープンの店。表向きひっそりとした大衆食堂風、中はこじんまりしたセルフうどん店。わりと普通っぽいけど、かけ170円。長熟タイプの細め粘り腰麺が凄い。これはこのへんでは珍しいかも。出汁はやや節系香る濃い目透明。いずれにせよ、結構手間かけたうどんだと思いますね。大将、どっかで修行してたんでしょうか。あと、メニューに豚丼、カレー丼、かしわ店丼があるけど、それなら肉うどんとか、かしわザルやればウケそうに思いますがね。余計なお世話ですが。
 もう一軒、高松市内の新規店。いまいちパッとしなかった某店の居抜きでオープン。う〜ん、味かわってない。
 で、帰り際に「うどんあります」発見。


 三豊市大野原「小出」。あの提灯やら幟やらのにぎやかな外観。あの服部幸應先生のサインのある小出である。関東だきに『うどん玉だー!』の小出である。昭和40年代の創業というからたしかに年期は入ってるのだが、ここまで老舗のオーラを発する店は珍しい。なにより、エッジは立つものの柔らかめのつくりおき麺、醤油の風味の強いかけ出汁、かけうどんに対するやや高めの価格設定が、今どきの新興セルフ店に真似のできない存在感の根拠となっている。これもまた、さぬきうどん。また今度、デフォルトでHOTな醤油うどん、「うちが元祖」と言い張る釜あげ食べに行きたいです。
 丸亀市「赤瀬」。あのアート系うどん店、久しぶりです。白っぽい甘口出汁にふんわりした麺。傍らに小鉢と別添の生姜。いつもながらの優しさにじむ、ちょっと特別な店ですな。健在でよかったっす。
 丸亀市飯山「上田」。あの割り箸空中浮揚の店(笑)。開店草早々時に行ったときには正直「なんだかな〜」イメージだったのだが、2ヶ月後に再訪してみたら「特製の甘いだし ぶっかけうどん」にイメチェンしていた。で、「山ぶっかけはじめました」「温玉ぶっかけはじめました」「山玉ぶっかけはじめました」の迫力あるアピール。とりあえず温玉小400円を注文。以前より細くそれでいてしっかりした麺に黒っぽい出汁(たしかに甘口)、温玉と海苔とネギが乗る丼の縁にワサビが張りついている。イメージとしては細切りザルうどんを一式丼にぶち込んだ感じ、というかザルで喰えばいいじゃん。まあ、これはこれで結構イケてますけどね。よくまあ、オープンから短期間にこんだけリニューアルしたな、とは思いますが。
 次第に明らかになる本日のテーマ、「変わらぬもの変わったもの」まあ、後づけですが (^^ゞ。最後は変わらぬもの、観音寺「小浜食堂」の中華そば。最今のご当地ラーメンブームの影響か、「三豊中華そば」なる名称を聞くようになったが、ここは、まあ、その基本型でしょうなあ。昔ながらのうどんも中華もやってる大衆食堂風中華そば。薄く濁った甘くてしょっぱいスープ。そのバランスが実にいい。


 製麺所を起源とするうどん店は朝が早い。一般店に昇格してもなお製麺のついでに食べさせる意識で朝9時前から店が開いている(それもかなりの老舗・名店)ことが多いのは讃岐の特徴であろうかと思う(他の地域は知らないけど)。要約すれば「モーニングうどんは讃岐の文化」なのである。でもって、高松市「大島」。高松市在住の人に「昔よく行ったうどん店」でアンケートしたら五指にはいると思われるほど地元密着型老舗名店である。もうひっさしぶりで、確か前に来たときはこの横に交番があって、店の駐車場が一杯のときはこの交番の前に路駐することになっていたと思う。その交番もいつの間にか無くなっている。さて、こういう店はダンドリが難しい。長い年月を経て常連には当たり前のローカルルールが定着しているからだ。思い出せ、思い出せ・・・。本来なら麺の入った丼が並んでいたはず。朝早いせいか出てなかったんで「かけ小」150円を直接注文。丼を受け取って、本来ならここでオプション取っていったん清算、それからテボであっためて出汁かける流れ。あー、先に出汁かけてしもた。こうなると支払いがしにくいなっと。次からは間違えないように。・・・人生どこまでも勉強やのう。結構強めの出汁にまあ柔らか麺。個人的に好みのタイプではないけどやはり業界重鎮のオーラを感ずるところではあります。
 老舗シリーズ2、高松市「上原」。ここもダンドリがやや難。麺をもらって温めそして出汁かけて、必須アイテムのコロッケとって席につく。食べ終わった後レジの前の小さな机に返して自己申告で清算っと。白く美しい麺に透き通った出汁。かけ170円+コロッケ100円。この道何十年だか知らんがとにかく歴史は重い。このさり気なさが重いんですね。うどんはバランスよく軽快に食べられる味ですが。
 たまにはラーメン、高松市「さっぽろ倶楽部」。評判通り悠久の時が支配する厨房。大将とにかくマイペースである。いつまでやっとんねん! と突っ込みいれたくなるほどじっくり野菜を炒める。スープを加えよく煮込む。その間まわりのおばちゃんおねいちゃんは固唾を飲んで見守る。なかなか凄い光景ではある。で、味噌ラーメン680円。実際に食べてみると、あんなにじっくり火を通したにもかかわらず野菜がちゃんとしっかりした食感。全体にきめ細かく丁寧な仕上がりで、食べ終わってみれば好感度の高いお店です(正直、作ってるときはイライラしたもんだが)


2006年3月

 高松市国分寺「三嶋」。結構老舗である。広すぎる厨房や客席の奥になぜかあるカウンター。製麺所から食堂併設店、そして単独うどん店、セルフ店へと変化して行く過程が言われてみればよくわかる構造である。こういう店の麺は茹でたてよりほんのちょっと時間が経って口中に馴染む食感の麺が相応しい。かけ210円をいただく。麺にわずかのプリプリ感が残って独特ですね。小麦の旨味と香りがかすかに。出汁はカツオ主体のやや濃い目。蕎麦つゆとの折衷タイプか。そういえば蕎麦メニューも多いです。ついでながら、中は小の30円増、大は中の20円増と、かなり小刻みな価格設定。で、その上にジャンボ3玉=340円があるってことは半玉刻みか? だとすると大とジャンボの価格差80円が腑に落ちん。さらに「かやく定食(小・中・大)」は20円増、20円増。「おむすび定食(小・中・大・ジャンボ)」は20円増、30円増、50円増。この微妙さはどっからくるんだろうか。あと、忘れ去られたような場所にあるヤカンの中身はウーロン茶のようである。
 高松市「たみ家」。四国新聞社の東、むやみに蛍光燈があった「かど家」跡に新規オープンのセルフ店。ビフォー&アフターでいうとかなりキレイにリフォームされている。キレイなのはいいが、ちょっと見にはなんの店かわからん。せめて暖簾くらいかけたらと思いますが。11時開店、駐車場なしと聞いていたので、まあそのころに車停めて行ってみる。・・・『準備中』の札、灯はついているので休みではなさそう。5分、10分過ぎるが動きなし。11時12分ごろ『営業中』に。すぐ入るといかにも「待ってました」風なので1分後入店。しかしまだ麺が出来てないとのこと。「お待ちいただけますか?」「待ちます」メニューは、かけ・醤油・ざる×1.2.3玉といさぎいい。無料トッピングにネギ・ゴマ・天カス・大根のほか梅干しも。テーブル上の醤油がカツオ醤油やら減塩やら5〜6種類。結構気の使い方細かいねんな>大将。・・・さらに10分あまり後、やっとできた。「お待たせして・・・」ということで、生卵一個付けてくれた (^O^)。 まあ、オープン直後やし、いろいろバタバタするわなあ(急に軟化する)麺はかなり高品質なストレートタイプだが、焦ったのかちょっと堅め。「堅いですか?」って、やはりうすうす感じていたみたいではあったけど。
そんなこんななんで、評価はまた次回、落ち着いたころに。※あとで調べたらここって、うどんジムさんの店やったんですね、知らんかった。
 観音寺市「一」。「安並」の角をきゅっと入ったところに新規オープン。将八系「一」の二号店らしい。ver8.1.2ということですか。まだピカピカの店内にながーく続くカウンター。あ、途中でこんなん見つけたら・・・やっぱ、とらなあかん。とったら喰わなあかん。で、その奥にはひっそりとコーヒー(サービス)サーバーがあったりする。透明っぽい甘口の出汁。揃ってはいるがややカドの取れたやわらか麺。まあ、良くも悪くも観音寺系なうどんです。

 第6回VOICE21あの店この店大集合!@高松三越に行く。とりあえず朝イチは綾川の麺や。はあ〜、モーニングうどんはエエのう。
 で、三越。サン・ファソンの限定プリンに大山ハムのベーコン切り落とし等ゲット。日替わりラーメンは岡山の鯱屋。美味いとは思うけど、とんこつラーメンはみな同じにみえるラー素人・・・。
 高松市「咲き乃屋」。五平跡にオープンの新規店。「元祖しっぽくうどん」の大きな看板が立っておる。一週間ほど前に開店したばかりのはずだが、この時点で元祖とはどうしたことであろうか。しかも季節的にはもう終盤だし。無難にぶっかけ(冷)300円を注文。・・・麺が・・・堅い・・・・・・噛めん。見た目は細身のしゅっとした麺で美味そうなんだが。しっぽく自慢なら、温かけ系のほうがよかったのかな。またいずれ。
 丸亀市「さぬきのピッピ」。ここはいつも時間外し気味に行くのだが、そのわりにはずれ麺に合ったことがない。地味ながら落ち着いて食えるうどんではある。ただ、この新店舗になってから空気が明るすぎてその辺落ち着かなくなったりはするのだが (^^;)


2006年2月

 讃岐の海原雄山こと山田竹系先生とNHKアナ宮田輝氏、それにうちの近所の旅館の大将がうどん喰いに満濃長田に向かったのがもう三十数年前。このときの衝撃を帰京した宮田氏が吹いてまわったのが、讃岐うどんが全国に知られるようになる序章であったと聞く。その山田先生御推薦と伝えられる店、高松市「田中松月堂」。自分で湯がくセルフ店だが、店のど真ん中の釜が素敵。舌代(いまどき言わんよなあ)うどん・蕎麦・ざるうどんに「しっぽくはじめました」(麺は)これだけ。ぶっかけだの釜玉だのまるで眼中にないのだ。しかも小・大・大盛って、斬新なランク。「当店は『おふくろの味』です」って、店の雰囲気からは『おばあちゃんの味』が滲み出ているし。「ビール只今飲みごろです!」って、なんか鍋みたいなん入ってるし。なかなか香ばしくてよろしいなあ。昔風ぐにゅぐにゅやや太麺に醤油味のしっかりした出汁。 ※てなこと言ってるうちに、直後の06年3月閉店となりました。 虫の知らせってやつでもないんでしょうが、昨年の木村といい、その前の長田といい、しぶい名店の最後に妙に引かれて偶然立ち会うっていうことあるんですね。特に1〜3月。別に疫病神じゃありませんけど。
 高松市「さぬき乃」。昨年末に新規オープン。さきの店とは正反対の今どき風。間口狭く奥に深い、カウンターと四人がけテーブル少々の一般店。雰囲気がな〜んかニューウェイヴ系ラーメン屋っぽいなと思っていたら「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」ときたよ、おい。かけうどん230円しか注文してませんが(笑) 滑らかでちゅるんとした口当たりのよい中細麺。出汁は軽快な透明カツオ系。繰り返すが今どき風。好みが別れるかもしれんが、完成度は高いと思います。天かす入りがチョイスできるということで、お願いすると薄切りのカボチャ天が一枚・・・もうけた。


 『うどん くうかい お大師さん』の幟を見かけた。いろはうどん遍路〜総本山善通寺創建1200年記念協賛事業だそうで。協賛だか便乗だか知らんが、とにかく近辺のうどん店32軒を廻るスタンプラリーらしい。ご本尊の特別ご開帳とか記念大法会とかの行事と並ぶといささか違和感なくもないが、うどんとお大師さんのためならどんな屁理屈も通す県民性だから問題ないのだろう。まあ、ここまで898店まわったワタクシとしては特にどうということはないのであるが、いちおう参加店一覧をみる。・・・へぇ〜、ベビー大川ねえ。あと、波動麺の「梵」に「毎日牛乳うどん」ですか。誰だよこんなにマニアックな選定したのは (;^^) 
 せっかくだからパンフか応募用紙もらって帰ろうと善通寺さん行ったけど団体さんの渦に巻き込まれそうになったので即退散。参加店行けばもう大盛り上がりだろうと信じ、善通寺「とみや」へ。う〜ん、普段とかわらん。かけうどん180円。モチモチ中太麺にしっかり出汁。普通に美味い。だが用紙もってまわってそうな人は見当たらない。まあええか、ワシはわが道ゆくし。
 というわけで、やはり新規店優先。丸亀市「上田」。表通りから説明できんくらい目立たん道をいった先。カウンターのみなので、一般店と言えば一般店。かやくご飯・おにぎりはセルフだが、入り口付近でちょっと死角な気がする。お〜っと、箸が空中浮揚しているぞ(笑)。かけ、かやく、きつね、カレー、冷やし、生醤油×大小のシンプルメニュー。紅白のカマボコがオシャレでした。やや細めの柔らか麺。先にいた大将の知り合いらしい客が醤油うどん大をたいらげて「うまい、こらうまい!」と絶賛していたので、冷たい系がいいのかと思ってその日は店を後にしたのであったが・・・(以下数ヶ月後に続く)で、ここで(たぶん)900軒め。


2006年1月

 善通寺市「ジャンボ高木」。朝メシに〜、ジャンボ〜! なわけはないけど、早朝の釜あげは胃腸の目覚めによいのである。天ぷら取らんし出汁飲み干さんから後にひびかんし。小麦の香る麺に生姜いっぱいの出汁で喰う。釜あげはやっぱし、製麺所でなくて専門店やの〜。
 丸亀市「なかむら」。前通ったら意外に空いていたので直行〜! 出汁ちょっと変わった? まあええけど。
 丸亀市「某店」。一応新規店ちゅうか2号店やけど〜、あんまり印象に残らんかった。またこんど。
 高瀬町「某店」。これも新規店やけど〜、麺がへなへななのは時間帯が悪かったことにしても、出汁がいがらっぽくてとても無理。またなんかの機会に寄ってはみますが。


 新年一番、丸亀「まごころ」で『さぬきのうどんさん』に初詣。かけ180円、たっぷりコロモのエビ天90円。いわゆるコンベア式大衆セルフの元祖である。あらかじめ玉の入った丼をとってテボで温め、天ぷら乗せて勘定。この手順を噛み締めるように、粗相のないように思い出しながら進む。突如ただならぬ気配・・・すぐあとのおっちゃんが誤ってテボ&うどんを湯のなかに落としたらしい。おばちゃんが「これですくい(なさい)」と、大きな網を持ってくる。あまりにも冷静かつ迅速な対応に、こういうのって日常的にあるんやなーっとしみじみ鑑賞。食べ終わったら器を洗い場に続くベルトコンベアに乗せて、そのあと『錦鯉の上手な飼い方』を勉強。ええなあ。県外からの一見観光客たちも、どうせカルチャーショック求めて来るんなら、こういうとこ目指せば渋滞も違法駐車も無縁で讃岐を体験できるんですがねえ。
 高松市「まるいち鬼無店」。一昨年秋にオープン。あっという間に増えた「まるいち」。もう何軒めだろうか、10軒くらいいった? 味は好みとして、まあ、「まるいち」はええね。チェーン展開の店のなかではマニュアルがしっかりしておる(気がする)。全般的に清潔感あるし。で、冷たいぶっかけ小240円。天カス、ネギ、大根オロシとレモン付き。ちょい甘の出汁。なかなか美味いです。そもそも「ぶっかけ」はこの手の店で美味しくできるメニューなのではなかろうかね。機械打ち麺に無難系の出汁でなんとかカッコがつくもんですから。あんまり一般セルフ新店なんかで安直に「ぶっかけ」売り物にしてると安っぽく見えますぞ。
 東かがわ市「讃岐屋」。たぶん20年ぶりくらいの再訪である。当然、その時の印象は残ってない。最近リニューアルしたらしいが、どこが変わったのかすらわからん。かけ300円。やや太めのもちもち麺。カツオ主体の出汁。醤油も西の方に比べると色が濃く、風味も強い。敢えていうと蕎麦に合うタイプではある。量多め。東讃や小豆島によくあるうどんの典型例かと。であるならば、中讃風に統一されかかっている今の讃岐うどん界にあっていささか貴重な存在ではないかと思うのであった。
 さぬき市「ありえす」。帰りに道の駅みろくでトイレ休憩・・・と思ったら「桜や」の跡に(正確には「桜や」のあった建物の1Fに)新店発見。まあ、茶店というか、うどん・軽食・丼物・飲物メニューだが、なんじゃかんじゃゆーてうどんが一番種類が多い。リニューアル後間もないということもあってピカピカの店内、かけ150円ではなんか肩身が狭い気がして(なんでや)かきあげ350円を注文。待つことしばし。何分経ったか忘れたがこんだけ待つということは冷凍モンではないちゅうことであるね。疑ってすまんです。茹でたての強靭なコシを持つ中細麺。色やや濃いめの出汁。重量感のあるカキアゲの上にネギとカツオがトッピング。美味しゅうございました。で、あらためてメニューを見直すと「朝定食 6〜11時 和食・洋食各480円」とな。モーニングうどんの敵ではないよな。ちなみにこの店、発見したのは1月上旬だったが諸事情により発表が大幅に遅れてしまった。よって、第一発見者の称号はSんさんにいってしもた。別に悔しいわけではないが。