アユ養殖場

養魚場の主な設備

・養殖池


三方コンクリート製標準のアユ養殖池(水深1.2mくらいで容量130トン程度)です。
形は、正方形の四隅を少し切った不等辺八角形が多いようです。
ストレスをかけないように一定方向に流れをつけ、 同時に溶存酸素を高める為に、バーチカルポンプや水車が用いられています。
防疫のひとつとして、鳥害を防ぐため、池全体をネットで覆っています。
日長を調節する目的で、ナトリュウム灯の設備も必要になってきます。
餌を手で撒くのは大変なので、自動給餌機を設置、省力化しています。

代表的な池の模式図を示します。


少し大きめの池(300トン水槽)です。
電照抑制をするための照明をします。日没になる前から点灯して、日長を調節します。 青く見えるのが水銀灯で、黄色く見えるのが高圧ナトリュウムランプです。
右側から水が出ているパイプは、循環用の軸流ポンプに繋がっています。 また、角に見える鶯色の装置は、熱交換器です。ボイラーからの蒸気を噴射して、池の 水温を上げます。これで、30℃くらいまで昇温可能です。天上からシルバーの配管が降りていますが、これが蒸気配管です。これで自由に水温をコントロールできます。

蒸気は、重油ボイラで作ります。とても大飯食らいなんです。一日に1kリットルは平らげます。

冷水病は温水処理が良いということで、蒸気ボイラを設置して、水温をコントロールできるようにしてありましたが、これがとんでもなく悪い(他のページで解説)結果を招きました。それで最近は使用していません。現在の琵琶湖産種苗の悲惨な状態は、この温水処理のせいだと言っても過言ではないと、養殖業者は考えるようになりました。生き物はほんとうに難しいものですね。


・電気設備


↑設計施工:アイシン電設(連絡先:0884-22-3562)
電力会社から、電気を受けて、各池や作業場に電気を分配するための設備や、 非常時に自家発電装置に切り替えるスイッチ、非常時を知らせたり警報を出す ための装置から成っています。

配電盤から各分電盤に延びる電線ラックの様子です、凄い数になりますね。

黒い電線は、下のような分電盤に繋がっています。この分電盤からいろんな機械に配電されます。

このように電気はスター型配線をして危険分散をしています。安全のため、各配電設備は二重にしています。 また、各スイッチには警報装置を組み込んであります。異常が発生すると、警報がなり、メイン配電盤のランプが フリックします。一定時間経過しても異常が続くと、信号が送られます。携帯電話にも、自宅にも緊急事態を 知らせる電話が入るようになっています。

下の写真は、非常用発電機です。停電を察知すると、1分くらの確認遅延をとり、自動起動し電気を 供給します。


・飼育/給餌風景

▼配合飼料は、基本的には飼料メーカーから下の写真のような「紙袋」で供給されますが、配合内容が合法(飼料安全法などの法律があって厳重に管理されています)であれば、特別注文飼料を打って(餌は「打つ」と言います)もらえます。各経営体とも、研究をして良い魚を作るためそれぞれ工夫を凝らしています。

餌を紙袋から取り出し、いろんなサプリメント(ビタミン剤、ミネラル、栄養補助食品)を攪拌機に入れて混ぜます。

餌は、スケールホッパーで計量します。(これを作ってから随分楽になりました。)↓

そして、台車に載せて自動給餌機に入れます。(パソコン同様自作ですが、若い頃の作品ですので、かなり下手です。)↓

セットされたタイマーとリレーによって時間がくると給餌されます

↑各池には自動給餌機が座っています。写真中、タイマつまみがついた銀色の四角い箱がそうです。

↑写真手前の水面に餌を撒いています。水の色が少し黒っぽくて、魚が水しぶきを 上げているのがわかるでしょうか?

▼同じく給仕中の池です。

将来的には、CCDなどで給餌状態を取り込んでパソコンで画像解析して、 完全自動で給餌できたら面白いと考えています。ちょっとアルゴリズムは難しいと思いますが・・・。

給餌が終わる頃になると、飼育水の溶存酸素が極端に低下します。餌を食べることによって、魚の酸素要求量がぐんと多くなるからです。このままだと、消化不良や、極端な場合斃死します。この時に威力を発揮するのが、液体酸素です。液体酸素を気化して、池の中に送り込んでやります。
▼ディストリビュータ

↓気化器

↓全体



・防疫には特に気を使います。

池に上がるときは、常に手足の消毒をします。手は、アルコールに消毒液を混ぜてスプレーします。 足は、踏み込み槽にカルキを入れています。勿論場内は、消毒をしない人の出入りは厳禁です。

近年薬事法の適用が厳密になって、消毒液は医者でないと売れないと言われました。人間以上に、魚は防疫を厳密にしなくてはならないので、困っています。写真は、商品名「ヒビテン」という、手足、傷口、手術用具の消毒に一般的に用いられる消毒液。(昔は、クレゾール石鹸液で消毒していましたが、臭い上に消毒効果が少ないのでやめました。)


△カルキの踏み込み槽


△愛犬も場内監視をして、鳥獣が病気を持ってくるのを防いでいます。ガードマンを雇うよりも狩猟協会の方にお願いするよりも効果的です。防犯にもなります。以前は、よく物が無くなっていましたが、彼が場内をうろつくようになってから、治安は良くなりました。(お巡りさんからのアドバイスです、警察の方に感謝!)ということで、放し飼いです。


・出荷の設備


まず、出荷する前には、きちんと大きさを選別して、畜養水槽にいれて餌切りをして、 腹持ちを良くします。そのための、池は飼育池とは別に作ります。

下の写真は製氷機です。

大きな冷凍機で、瞬間に水を凍らせます。

天上に開けられた穴から、雪のように、氷が落ちてきます。
こうして、一日何トンもの氷ができます。

この氷で、氷水を作り、魚を〆ます。氷水の中には、ビタミンや塩などを添加することもあります。

〆た魚は、重量選別機にかけられ、重さによって大きさを仕分けしてゆきます。(詳細は、出荷のページにあります)


Back